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八尾市ものづくりnet.の中の八尾を拠点に頑張るものづくり企業の中の株式会社MPC

八尾を拠点に頑張るものづくり企業

取材日:2010年11月4日

株式会社MPC
〒581-0039 大阪府八尾市太田新町8-41URLhttp://mpcweb.co.jp
金属製品製造

微細加工を活かした『マイクロネジ』製造メーカー

 精密部品製造販売業者として昭和33年に創業した株式会社MPCは、お客様の色々なニーズに対応した切削加工を得意としている。
 同社は創業時よりカメラに使用されるネジ部品において、ミノルタ(現:コニカミノルタ)社のオートフォーカス一眼レフカメラ「α-7000」シリーズの加工を手掛けていた。
 そこで培った極小部品に関わる高い技術とノウハウはミシン、OA部品、弱電部品など各種分野での微細加工に活かされている。
 さらに、微細加工の特性を活かすべく、同社では現代表である森岡京介氏が社長に就任して以降、製品の小型化、軽量化に貢献したマイクロネジ(すり割り付き止めネジ・平子ネジ)の製造に力を入れ始め、得意先からのニーズを生かした製品を投入、経営の舵を切った。
 同社が生み出すマイクロネジは、通常直径2ミリサイズのM2.0、1.6ミリのM1.6が主流と言われる中で、同社は1ミリ未満の微細サイズ(M0.8~1.0)を得意としている。森岡会長が「小径・小ロット・短納期を完成品で」と語るように、200~2000個の小ロットを短納期で納入している。同社では、設備投入などによりすべての工程が内製化され、企画からの一貫生産で、量産のための試作品も低コストで対応可能である。
 素材についても、ステンレス・アルミ・特殊鋼など多様な材料での加工を可能とし、小径の微細加工を得意とする国内でも数少ない企業として大阪府の「大阪ものづくり優良企業賞」を受賞するなど認知度が高まりつつある。

代表取締役 森岡孝一さん、専務取締役 森岡京介さん

新工場設立を機に『株式会社MPC』へ社名変更

 同社は、平成2年より八尾市太田新町で事業を展開していたが、工場は手狭になり、貸物件で設備投資などの自由度が低い、という理由から、新工場移転への必要性に迫られることとなった。
 そこで、「八尾市ものづくり集積促進奨励金」を活用し新工場を建設。社名も「森岡精工株式会社」から「株式会社MPC」に変更した。
 森岡会長は「MATEC八尾(八尾市内中小企業で構成される異業種交流グループ)など長年の交流を図ってきた人脈を十分に活かすことが出来るし、八尾市役所からこれまで様々なバックアップを受けており、非常に良い関係性を構築出来ている」と、八尾市内での移転を後押しした要因を語る。
 広いスペースに自由なレイアウトを施した働きやすい新工場の設置は、生産体制以外にもメリットをもたらしている。森岡会長は「行政機関や各種メディアからの取材も多くなり、従業員は常に自分の会社が“見られている企業“であるという意識が高まり、日々の挨拶や顧客対応など意識の変化が出てきた」と新工場による思わぬ効果を実感している。
 また、道路に面した立地はトラックなどの行き来が容易で、幹線道路や最寄りの高速道路に近く物流面でも非常に役立っている。

新工場外観

自由なレイアウトが可能な新工場①


自由なレイアウトが可能な新工場②

技術力の向上と「ものづくり」へのこだわり

 森岡会長が「社員は製造だけでなく、営業・技術社員でもある」と語るように、当社では現在社員教育に力を入れている。全ての仕事をマニュアル化すると共に、受注の際はロット単位で担当者が製造から発送までを一括管理出来るような体制の構築を図っている。
 営業力・技術力を伸ばし、常にお客様とのコミュニケーションを大切にし、オールマイティな人材になって欲しいとの願いのもと、今後の活力にしていきたいとしている。
 また、営業戦略において森岡会長は「得意先からのニーズに対応出来るように在庫機能を持たせました。また、当社は大量生産によるコストメリットを出せる大手企業ではないですから、単価勝負は極力避けて従来見積回答が出来ない商材への取り組みを強化しました」と語る。事実「他社にあたったが出来ない」「研究開発用に使いたい」「大量生産前の試作品を作って欲しい」といった小口、短納期で精密さが求められる製品のニーズは意外に高く、近時は内視鏡やカテーテルの製作等医療分野からの問い合わせも寄せられている。


ミクロの技術でマクロの「ものづくり」

 今日、微細加工への需要は高まる一方である。今後について、森岡会長は「微細加工の取り扱い率を更に増やし、一層の微細化を促進していきたい」と考えている。その為にも、量産化出来る体制構築はもちろんのこと、更に少ロット、短納期化を推し進めている。
 現在は商社経由での販売が過半数を超えているが、直ユーザーとの取引比率を高められるように「お互いに顔が見える営業、顔が見える製品づくり」を合言葉に顧客との繋がりを強めている。
 また、産学連携にも積極的に参加しており、学術機関との意見交換で生み出されたロボット用の部品製作など、これまでになかったような業界への提供も実現している。
 森岡会長は最後に、「お客様からのニーズにも積極的に対応していく必要がありますし、取り組むべき分野も数多くあります。そこに事業展開していけば、シェアを伸ばしていけます」と語る。
 ミクロの技術でマクロの「ものづくり」に常に挑戦、お客様と共に成長していく株式会社MPCの今後に期待したい。

微細加工技術を駆使した蟻

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