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八尾市ものづくりnet.の中の八尾のトップシェア/オンリーワン企業の中の株式会社コムラ製作所

環境分野でがんばるものづくり企業

想像をカタチにするものづくり企業― 電動昇降座椅子「独立宣言」シリーズ ―

株式会社コムラ製作所
創業者のこだわり-260の特許と製図台に秘められた思い-

製図台をご存知だろうか。戦後、設計者にとって必需品であった製図台は圧倒的な技術差のある欧米製が主力であった。その製図台を日本で作り、本場である欧米への売り込みに尽力した人物こそ、当社創業者である小村清一氏である。
 小村氏は大正8年生まれで、個人創業時は松江でカメラ店を営んでいた。戦時中はその技術が重宝され、銃の照準器などの製造・メンテナンスに携わっていたという。その後、シベリア抑留により過酷な経験を強いられたが、器用な小村氏は「無いものは作ればいい」と極寒の地で必要な道具を次々と作り出し、ロシア人からも重宝されていたという。帰国後、満州で目にした製図台であれば今後日本でも需要があると確信、日本製の製図台作成にとりかかった。

小村氏は妥協を許さず、試行錯誤を繰り返すうちに、駆動昇降技術や安全技術はみるみる高まっていった。また、好奇心旺盛な小村氏は新技術や他業種の技術を次々取り入れたことで特許・実用新案の申請数は260にも上り、いつしか雲の上の存在であった欧米製品をも凌ぐ製図台ができたのである。
 そして、コムラの製図台は海を渡り、ついに欧州での展示会に出展された。輸送費、関税を考えれば決して採算は取れなかったが、世界一の製図台として勝負したいという小村氏の挑戦は見事に叶ったのである。そしてこれが、日本製の製図台が海外で勝負した最初で最後の事例となった。
 時代がアナログからデジタルに移りゆく中で、製図台も徐々にその役割を小さくしていく。しかし、当社には製図台で培った多様な技術と創業者のものづくりに対する情熱が残り、今の経営の礎となっている。

製図台から昇降座椅子へ-国内シェアナンバー1の「独立宣言」シリーズ- 

現社長で2代目の小村隆志氏は、創業者である小村清一氏の意志を受け継ぐ。製図台で使われた昇降技術は、その姿を昇降座椅子に変え、社会で必要とされている「もの」へと進化した。
 昇降座椅子とは、足の不自由なお年寄りや障がいを持つ方向けに作られた座椅子である。家の中には意外と段差が多く、たとえば玄関で外用の車いすから家用の車いすに乗り換える際や、車いすからベッド・こたつに移る際には介護者が本人を一度抱えなければならず、負担が大きかった。

当社の電動昇降座椅子「独立宣言」シリーズは、そのようなニーズをうまく取り込んだ。製図台で培った昇降技術を応用することで、体重80kgの方が乗ってもスムーズな上下動を可能としたほか、前後のスライドや左右回転など、利用者の立場に合わせた機能が好評となり大ヒットした。特に昇降技術においては、安全装置などに創意工夫が施されているため他社が容易に真似できるものではなく、電動昇降座椅子の分野では国内シェアナンバー1の地位を確立したのである。
 しかし、そこで満足しないのがコムラ製作所。今度は座椅子に車輪を付けてしまい、家の中での移動を可能とする独立宣言「コロロ」を発売した。シート後にバッテリーを搭載することで、どこにいても自動昇降が可能となったほか、6輪の特殊車輪構造を開発し、家の中の段差超えを容易にすることで介護者への負担軽減に寄与、またしてもヒット商品となったのである。
 このように、利用者の目線に立ったアイデアを形にすることで独立宣言シリーズは進化を遂げ、現在様々なシチュエーションに応じたラインナップを展開、国内シェアナンバー1の地位を不動のものにしている。

従業員ではなくコムラマン!-発展途上会社の目指すミライ-

「私は社員もパートも関係なくコムラマンと呼んでいます」。小村社長は従業員という言葉を決して口にしない。経営理念も以下のとおりである。
<コムラマンは真面目であることを誇りに思う>
<コムラマンは良い製品を作る為に、勉強・努力します>
<コムラマンは世の為、人の為になる製品を作ります>

コムラマンを家族のように大切にし、全員が一体となって同じ方向を目指す。本社建て替え時にも、今では珍しい社員食堂をあえて残し、創業時からの「同じ釜の飯を食べる」ことを大事にしているのだという。では、コムラマンは一体となって何を目指しているのか。
 ものづくりの原点は想像をカタチにすること。当社の技術は介護・福祉だけでなく、既に幅広い分野で活躍している。医療では電動光学台で全国シェアナンバー1の機器を開発しているほか、産業機器、住宅設備機器などにも当社の昇降技術を応用した機器を多数製造しており、活躍分野は無限大である。無いものは一から作ればいい。社会に役立つものを世の中に提供するという創業当時からの精神は、今も決してぶれることなく受け継がれている。
 小村社長「当社は、まだ発展途上会社なのです」。コムラの目指すミライは、まだずっと先にある。

株式会社コムラ製作所
○所在地:   〒581-0035 大阪府八尾市西弓削3-9
○TEL:   072-949-0011
○FAX:   072-949-0009
○ホームページ:   http://www.komura.co.jp
  • Technical技術
  • Product製品・部品

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