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八尾市ものづくりnet.の中の環境コンテンツ企業一覧の中の株式会社デジック

環境分野でがんばるものづくり企業

株式会社デジック/大事なことは、社員全員でルールを決めて、
決めたルールは何がなんでもやり抜くこと。当たり前のことを当たり前にやる社風を大切にしています。/代表取締役 上野雅弘 http://www.digic.org/

INTRODUCTION
 八尾市竹渕地区で生まれ育った上野氏が代表取締役を務める「株式会社デジック」は、バルブ、ポンプ用高温高圧グラファイトパッキンの製造、小規模事業者向け生産管理のシステム「アシスト」の開発、販売を行っている。「アシスト」は製品を納品から出荷まで管理し、無駄を省くソフトウェアであるが、このソフトの理念は社内のマネジメントの細部にまでいきわたる。徹底的に3S(整理、整頓、清掃)活動を行うことにより、道具や書類の捜索にかかっていた無駄な時間やエネルギーの削減につなげた。
 今回は、これらの社内における取り組み内容について、上野代表取締役から詳しいお話をうかがった。
エネルギー効率の追求~新たなものづくりへのチャレンジ~
 同社の製品であるグラファイトパッキンは、火力発電所の450℃の高温にも耐える耐久性を持っている。現在は、国において、より効率的に電力を生み出すための研究がなされており、さらに高温高圧で電力を作り、少しでも環境負荷の少ないエネルギーを生み出すために、700℃から800℃の高温にも耐えるパッキンの製造が求められている。このために同社が開発に関わった新製品は、2年前から耐久テストが行われており、この新製品は、数ある候補の中から選抜され、最終選考に残っているということである。高効率の火力発電が可能となることで、安全で環境負荷の少ないエネルギー供給が可能となる。上野社長は、これからも新たな技術や製品の開発に挑戦をしていきたいと考えている。

新製品のバーミキュライトパッキン

無駄を省いた商品づくり~3Sを徹底的に実行する~
 上野社長と環境マネジメントとの出会いは、商工会議所が行うKES取得セミナー。2007年11月にはKESのステップ1を取得し、認証機関が大阪KES環境機構(O-KES)に変わった今も積極的に環境活動に取り組む。さらに現在は、ISO9001の取得も目指しており、その手始めとして社内における3S活動の徹底に取り組んでいる。あいさつ、報連相(ほうれんそう)(報告、連絡、相談)、整理整頓清掃など、基本的なことが当たり前にできるようにと、社員同士で決めたルールがある。社内には「3S掲示板」があり、「守るべきルール」「整理の定義」などがラミネートされ貼られている。こうして "見える化"することで社員が「自分たちが決めたルールは必ず守る」という意識を常に心がけられるよう、工夫がされている。また、無駄を省くことによる時間の削減や省エネ効果などを数値化し、とことん数値にこだわることで目標が達成でき、社員が達成感を得ることが、さらなる次の目標に向かっていく動機付けとなっている。

社内での掲示板の例

環境を意識した社内での取り組み〜社員全員での地域清掃活動〜
 社内では週一回、事務所や工場内の床拭き、工場周辺の清掃活動を環境マネジメントシステムの目標として掲げている。この清掃活動を行う中で、早く掃除が終わった社員が、誰に指示されることも無く、自発的に近くにある平野川周辺まで清掃してきたことがあった。それ以来、平野川周辺の清掃活動は社内でも定期的な清掃活動の一環として取り組まれ、今日まで続いている。
 「社長がまず率先して模範となり、社長が変わることです。そうすれば社員も自然と変わり、会社の発展に繋がります。」と上野社長は話す。
 社長が率先して何事にも取り組む姿勢は、社員全員に浸透し、今では一人一人が自分たちの決めたルールを積極的に遂行することが、同社の躍進の原動力となっている。

社内取組風景

次世代育成活動〜こどもたちへ
 こどもたちへ"ものづくりの喜び"を伝えるため、大阪市平野区の企業らとともに、小中学校、工科高校、大学などを訪問し、講演などを行っている。ものづくりの人材育成の活動を行われている背景には、子どもたちに対してものづくりへの情熱を持ってもらいたいという思いがある。上野社長には、子どもの頃からものづくり工場を目にして、身近に触れ合ってきた原体験があり、ベトナムへの事業展開を考える際、訪問先のベトナムの子どもたちが、日常的にものづくりに触れる様子を見て、自分の子ども時代の姿が重なった。このままでは、日本のものづくりは途絶えてしまうという危機感が、新たに公害の規制や安全の確立と地域とのつながりをいかに両立していくかという課題にまで通じる。だからこそ、社長は地域に出向いてたくさんの子どもたちに語りかける。
 「子どもたちには、目標を持って、何でもチャレンジする精神を持ってもらいたい。」と次世代育成への意欲を語られた。

小・中学校や工業高校などにおける講義の風景

EPILOGUE

 取材の最後に事務所と工場内を見学させてもらったが、整理整頓が行き届いており、まるで新築で操業し始めたばかりのようであった。事務所もそうであったが、工場内も掲示板や仕切りなどが一切無く、すっきりと全体を見渡すことができた。これは上野社長が語る「社風づくり」の一端であろう。自然と生まれる社員同士のコミュニケーションも、日頃の取り組みの真摯さを物語っている。
 "ルールを守ること"への高い意識を持った究極のプロ集団―それが、"チーム・デジック"である。

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