八尾市ものづくりnet.環境コンテンツ企業一覧田中紙管株式会社
グリーン紙管開発のきっかけは、7~8年前に顧客から相談があったのが始まりだった。具体的には、メーカーからの要望で、水に溶けにくい紙管では欧米の顧客に受け入れられない、とのことであった。特に米国では、使用済みの紙管はリサイクルが義務化されており、強度等の性能重視で開発されてきた紙管の見直しを迫られた。
紙管を水に溶けやすくするため、紙管の原料である「原紙」と「接着剤」の両方の見直しが必要となったが、特に接着剤に関しては、大きな変更が必要となった。接着剤の原料を植物由来のものにするなど試行錯誤の結果、従来と同等の品質を持ちながらも水に溶けやすい紙管の開発に成功し、現在も「グリーン紙管」として同社の代表的商品となっている。
紙管ユーザーは、この100%リサイクル可能な「グリーン紙管」を使用することで、その先のユーザーへのアピールにもなり、従来の紙管と同等の品質を保ちながらも「エコ」になる商品ということで、企業のイメージアップにつながっている。
左)リサイクルの仕組図
右)グリーン紙管
古紙回収サポートフロー図
クリーン紙管
エコリール
社内での取り組み風景
今回の取材を通じて、環境へのやさしさと品質の高さの両立を実現した同社の技術力とともに、同社の地球環境に対する熱い想いを感じた。
環境保全のためには、同業他社への技術供与もいとわないという柔軟な姿勢が同社の強みであり、この将来を見据えた取り組みがあれば、同社の最終目標である「日本中のすべての紙管が、もう一度紙管原料として生まれ変わる」という日が実現するのも、そう遠くないのではないかと思う。