八尾市ものづくりnet.八尾を拠点に頑張るものづくり企業株式会社アイ・エム・ジー
取材日:2010年11月18日
株式会社アイ・エム・ジーは、徹底したこだわりと卓越した技術で今年56年目を迎える精密・医療機械製造業者である。
当時は繊維製造会社向けの加工部品を中心に手掛ける企業であったが、誠実なものづくりが評価を受け、精密機械分野や医療分野を中心に、上場・大手企業にも着実に営業基盤を確立している。
代表の今口直樹氏が「企画・設計・組立の内製化が進んでいる」と語るように、当社では、設計から加工・組立までの設備を社内で整え、取引先からの細かなニーズに応えられるよう絶えず努力している。
大手企業からの高度な技術を要するニーズにも、スピーディで高精度な加工・製造で応えられるように、マニシング、フライス盤、設計機器などの新規設備導入も随時進めている。
「当社の強みは、企画・設計から製造・組立まで一貫出来る点です」と今口氏が語るように、小ロット生産や短納期など顧客のあらゆるニーズに柔軟に対応することが出来る。
また、「こんなのあったらいいね」とお客様に相談してもらえるように、“とにかくやってみよう”を合言葉に、生産に関わるあらゆる知識と豊富な経験を最大限に活かした製品作りを意識している。鉄やステンレス、樹脂といった素材を選ばない技術力の高さから顧客との結びつきは一層深まっており、確実に成果が出てきている。
代表取締役社長 今口 直樹さん
平成22年5月に八尾市の「ものづくり集積促進奨励金制度」を活用しながら、現在の八尾市北亀井町に新工場を設立した。それと同時に、心機一転の意味も込め、社名を『株式会社イマグチ』から『株式会社アイ・エム・ジー』に変更した。
八尾で引き続き操業している要因として①主力得意先・外注先が八尾市内に固まっており、横の連携体制が維持できること②社員の多くが近隣から通勤しており、従業員確保がスムーズであること③幹線道路や高速道路が整備されており、物流面でアクセスがよく非常に便利であること、を当社は挙げている。また、今口代表の「生まれ育った八尾に恩返しをしたい」という思いも八尾に新工場を構える後押しをする一因となった。
新工場を設立したことにより、生産現場において様々なメリットを生み出している。
まず、新工場設置の際には大型機械の組立が行えなかった旧工場を教訓に、十分なスペースを確保し設備拡充も図った点である。これまで逃してきた大型機械にも対応できるようになったことが当社の売上増加に貢献している。
また、新工場への移転をきっかけに“整理整頓”を社員に徹底し、組立の作業効率が格段に上がったことやお客様の訪問機会が増え、対外的な信用が増したことも、新工場設置の大きなメリットである。
さらに、従業員は従来にもまして自発的に動くようになり、「常に自分の会社が見られている」という感覚が自己管理能力の向上につながっている。
この状況に「新工場設立により仕事のやりやすい職場環境が整った」と今口代表も確かな手応えを感じている。
今口代表が、「新工場の設立と共に実施した社名変更は新たな船出を切る合図です」と語るように、今後については大型機械の組立・設計・加工を推し進めていきたいと考えている。その為にも、社員教育や量産化出来る体制構築はもちろんのこと、短納期化で様々な業種に対応出来る商材に取り組む意向である。
その第一弾として、既に大手製薬会社など医療関係向けの製品受注を受けており、これまで取引のなかった業界への進出も果たしている。
また、「簡易生産装置・治工具において、当社の設計・加工・組み立てを一括でサポートできるシステムは、世界に誇れる『MADE IN JAPAN』です」と今口代表がアピールするように、他にはない技術力を武器に、市場拡大が見込める海外にも目を向けている。