八尾市ものづくりnet.八尾のふるさと納税返礼品提供企業クマガイ電工株式会社
クマガイ電工株式会社は電気機械器具を製造する会社で、大手企業のアッセンブリーなど下請けが事業の中心であったが、「信頼と独創」という企業理念のもと、長年の経験で培った技術を活用し、クマガイ電工にしかできないモノづくりとして「水・電気・熱」といった相反するファクターから一つの製品を生み出すことを強みにしている。
特に得意分野である加熱と温度管理に関する技術をベースに独自のノウハウやオリジナルの技術を生み出し、今では自社ブランド「サンアート」として、「ぬくさに首ったけ」のキャッチフレーズのヒーター内蔵防寒用品、お風呂の保温クリーナーや湯沸しヒーター、また、熱帯魚用のヒーター&サーモスタットまで数多くの商品を展開している。
いつかは自社製品を持つメーカーになりたいとの思いがあり、下請け中心に行っていた時期に培われた知識やノウハウをベースに製品化を目指していた。ふるさと納税の返礼品として採用されているヒーター内蔵防寒用品の開発のきっかけは、展示会で様々な企業の技術や製品を見る中で、どこかで自社の技術を生かせないかを模索する中、温熱効果のある座布団を見て、そこに使われているヒーター素材に注目し、自分たちなら違った角度、違った商品でユーザーの感動する製品を作れるのではないかと考え、まず指先や足先を温める手袋や靴下などの開発を始めた。
当初は動作の妨げにならず断線を起こさないヒーター線の這わせ方やバッテリーの開発に苦労した。特に手袋はフィット感が暖かさにつながるので、伸縮性の異なる素材を組み合わせることにより、断線しない仕組みと温かさ、衣類としての着け心地のバランスを高い次元で実現することに力を入れた。また、バッテリーについても、メーカーの詮索と打ち合わせ、動作原理や配線の工夫によりコンパクトで長時間持つよう改良を重ねた。
製品のラインナップを増やしていく中では、常に消費者のニーズの把握に努めており、売れ筋であるベストやブルゾンについては、ゴルフやフィッシングといった場面での使用を想定し、動きやすさと温かさのバランスを取るため、使用する綿の量を10グラム単位で調整したり、最適な温度を見つけるために様々な状況下でのテストを繰り返すなど、アパレルメーカーでは考えられない電機メーカーならではの工夫が随所に見られる。発売初年度は予約注文の対応で手一杯だったが、生産体制も整い、また、倉庫や建築現場など販売先も増え、売れ行きも着実に伸びてきている。
営業時にふるさと納税の返礼品に選ばれていることでアピールできたり、お得意先様との商談の中で話題に上るなど、注目されるきっかけになっている。
今後も消費者のニーズに耳を傾け、大手企業が手を出せないニッチな商品の開発を進める中で、常に新しい技術を探求し、クマガイ電工独自の製品を世に送り出していきたいと考えている。