八尾市ものづくりnet.八尾のトップシェア/オンリーワン企業メロディアン株式会社
コーヒーを飲むときに、今は当たり前に使われるポーションタイプのコーヒーフレッシュ。メロディアン株式会社が1975年に日本で初めて個食タイプのコーヒーフレッシュを作り、日持ちのよさや手軽さが受けて大ヒットした。この個食タイプの出現で日本におけるコーヒー文化が大きく変わるきっかけになったともいえる。
今や同社のポーション年間生産数は25億個にのぼり、日本一の生産数となっている。
当初、メロディアン・ミニはテトラパック容器で発売されたが、容量が10mlで1回分の量としては多かったことから、ヨーロッパで普及しつつあったポーションに目をつけた。ドイツ製の機械設備を導入し、容量を減らしたポーションタイプのコーヒーフレッシュは発売と同時に大ヒット。
しかし、発売当初のポーションタイプでは、開封時に中身が飛び散るという難点があった。その課題克服を目指して、飛び散りを防ぐオリジナルのスプリングボトム容器の開発が始まった。
同社が開発したスプリングボトム容器は、容器の底部を押し上げながらフタをすることで、容器内の気圧を低くし、開封時に、中身が飛び散らないようにしたものだ。
開発は難航した。小さな容器であるため、単純に底部を押し上げるだけではうまくいかず、フタをするタイミングと底部を押し上げるタイミングの調整や、容器底部の強度・形状の工夫など、長期間かけて試行錯誤を重ねた末に完成した。1992年には特許も取得している。
また、メロディアン・ミニは容器が遮光性シートで作られており、紫外線などによる劣化を防いでいるため、本来の風味を損なうことなく、長期間の保存が可能になっている。これは市場での評価も高くシェアの高さの要因になっている。
この遮光性シートはシートメーカーとの共同開発によるもので、「安全・安心」をお客様に届けたいという同社の考えのもとで、品質を重視して採用されている。
同社は、「美と健康」、「おいしさはしあわせ」をモットーにしており、2008年からは化粧品事業への取り組みもスタート。これまでの食品・飲料による体の内側からのケアに加えて、食品会社として長年培ってきた独自の完全無菌パッケージング技術を活かして、防腐剤等を一切使用しない美容液を1回分ずつポーションタイプの容器に分けた「ハッピーパレット」を発売するなど、外側からのケアをプラスすることで、食だけにとどまらず、お客様に喜びを提供する事業に取り組み続けている。