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八尾市ものづくりnet.の中の八尾のトップシェア/オンリーワン企業の中の大光電気株式会社

環境分野でがんばるものづくり企業

鉄道の安全安心を支える品質保証~車掌スイッチ・戸閉スイッチ~

大光電気株式会社
JR・新幹線で高いシェアを誇る車掌スイッチ・戸閉スイッチ

車掌スイッチと聞けば、電車好きにはピンと来る人も多いのではないだろうか。鉄道車両において運転士や車掌がドアを開閉する時に使用する装置の事である。また、戸閉スイッチとは、電車の扉一枚ずつに取り付けられていて、扉の開閉を感知するスイッチである。この車掌スイッチ・戸閉スイッチを製造しているのが大光電気株式会社である。

大光電気株式会社の車掌スイッチ及び戸閉スイッチは、国内JRや各私鉄で高いシェアを誇り、特に新幹線においては0系から最新のN700A系まで全て同社製品が搭載され、鉄道の重要保安部品であるスイッチにおける同社の信頼性は高い。

同社は、昭和22年6月に設立され、大阪市交通局に勤務していた創業者が戦後の車両部品の不足から自ら製造するに至り、以来鉄道の「安全」を支えている。

鉄道の安全を守る開発・生産体制・品質保証

最近の鉄道業界では、最新鋭の車両が次々と誕生している。このため大光電気は、こういうものができないかという要望に応えることにより、鉄道・電鉄会社の悩みを解決することや、顧客のかゆいところに手が届くサービスを心がけている。例えば、電車のワイパーについて挙げてみると、「電車専用のワイパー」は実は存在せず、自動車のバス用ワイパーを仕入れて転用している。しかし近時では、電車の運転席前面の窓ガラスの形状がデザイン面からも複雑化しており、さらに電車の速度も上がっているため、今までのバス用ワイパーでは対応が困難になってきている。そこで同社では、時速110~120kmの高速走行に対応できるようにワイパーを自社内で設計・改造している。

生産体制は、多品種・小ロット生産に対応できるように各種加工機器と熟練の技術力を活かし、設計・加工・組立・検査体制を自社内で構築している。大量輸送を前提とした鉄道において安全機能に優れた部品を、本社工場でネジ一本から工作機械を導入して製作することもある。また、多種多様な治具を作り出すなどして、精度の高い部品を作り出している。本社工場は、70年近くたって老朽化が進み、手狭となっていたこともあり、平成25年2月に建替えを行い、新たなスタートを切った。工場の品質保証体制は、振動試験器・耐久試験機、万能引張試験機、冷熱試験機、投影機など各種試験機により整えられている。また、重要なネジにはネジの頭に色が塗られ、担当者別に色が決められており、だれがネジを締めたかも一目でわかるようするなど、2重3重の品質・安全チェックを行うなど品質管理には一切妥協は許さない体制である。同社に対する鉄道・電鉄会社・部品メーカーからの要望は高い。電車の寿命は40年から50年と長いものもあり、長寿命、低メンテナンスが求められる。また、車種毎に仕様が変わるため、製品によっては一点ものも多く存在する。それらに対応するため設立早期より設計部門を立ち上げ、客先の要望にきめ細かく応える体制を構築している。

今後の展開

そして、同社のものづくりを支えているのが人材であり、若い力を伸ばすことが今後の課題であると考える。各部署の主力メンバーは30歳代、製造現場は平均年齢28歳と若く、それぞれの力を伸ばすことが、付加価値の高いものづくりの原動力となる。

同社は、全国の電鉄会社、車両メーカー、部品メーカーとの取引があり、各会社、各地域に合わせた要望は多種多様である。永続的発展企業となるためには、お客様の要望を汲み取ることが大切であり、それらの要望に品質・価格・納期等さまざまな面で一つ一つ丁寧に応えていくことが必要不可欠であり、また同社の強みでもあると捉えている。お客様の要望に真摯に対応し、製品の品質を守りながら、今後も鉄道の安全・安心を支えていく。

大光電気株式会社
○所在地:   〒581-0056 大阪府八尾市南太子堂1-1-53
○TEL:   072-994-3251
○FAX:   072-991-0096
○ホームページ:   http://www.daikou-denki.co.jp/index.htm
  • Technical技術
  • Product製品・部品

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