八尾市ものづくりnet.八尾のトップシェア/オンリーワン企業株式会社山田製作所
山田製作所の全自動たこ焼き焼成機は、一時間に最大2万個のたこ焼きを作り出すことができる。 全自動たこ焼き焼成機は、主に国内の冷凍食品工場に納入されている。冷凍食品のたこ焼きパックとしてスーパーマーケットなどの店頭に陳列されており、飲食店でのたこ焼きメニューで口にされた方も多いのではないだろうか。国内シェアは95%を占めており、同業他社は九州に1社あるだけとのことである。同社の創業は昭和2年で、せんべいやもなかなどの和菓子を焼く際に使われる鋳物の「型」屋であった。和菓子の需要減退とともに、食品自動機械の分野に進み、27年前にソースメーカーからの要請があって、「型」作りのノウハウを活かして、全自動たこ焼き焼成機の開発に着手、生地をかき混ぜ、成形し、焼く等の全工程を自動化して、大手冷凍食品メーカーに1号機を納入した。また、その頃から冷凍食品の技術が向上し、その後5年で大手冷凍食品メーカーすべてに全自動機を納入していったことから、自ら市場をつくりあげるパイオニアとなった。
山田製作所の全自動たこ焼き焼成機は、標準機をつくらずに、顧客が欲しい機械に特化してオーダーメイドでつくることを原則としている。標準機をつくらないことで、他社が追随できない技術力の向上を目指し、絶えず技術革新・進歩をすることで海外製品との差別化を意識している。全長14メートル、全幅2.8メートル、高さ2.3メートルの同焼成機を1台完成させるのには、社員20名が3ヶ月間かけて作り上げるため、コストダウン・スピードアップが課題であったが、一部外注化などの取り組みを開始するなど課題解決のために模索している。
今後、全自動たこ焼き焼成機の展望として、国内はほぼ冷凍食品メーカーに納入しているため、新たな需要が見込めず機械の入替需要が発生する程度である。中国の食品工場向けは2~3年の需要があるが、すべて日本向けに冷凍たこ焼きを輸出するための冷凍食品工場である。東南アジアではコンビニエンストアで冷凍たこ焼きが販売されているなど、たこ焼きの需要そのものがあることから、東南アジア向けおよび日系人が多いブラジルの市場としての成長が期待されている。
海外での全自動たこ焼き焼成機の需要が高まる中で、海外で同社自動機を使ってたこ焼きをつくる場合に、水・粉・卵などの原材料の違いから、国内でつくる場合とたこ焼きの品質が異なるケースがあり、これに対処するために、製粉会社とコラボレートして同社自動機の特性に合った粉の開発を行うなどソフト面の強化を図っている。
また、せんべい・まんじゅうの和菓子焼成機やたこ焼き・お好み焼き全自動焼成機での実績が豊富であることから、これまでのノウハウ・技術蓄積を活かし、クレープやタルトカップなど洋菓子焼成機の開発・拡販を進めており、同社の洋菓子分野での飛躍が期待できる。
IH クレープ焼成機
弊社製造クレープ専門店にて