八尾市ものづくりnet.八尾を拠点に頑張るものづくり企業株式会社三陽
取材日:2010年10月19日
株式会社三陽は押出・射出成形機用スクリューやシリンダーの製造販売、金型製品用部品・粉砕機城の部品の製造販売業者として、昭和32年に創業。創業以来、時代の流れやニーズをいち早く察知した製品開発で最良の製品を常に供給し、着実に成長を遂げている。
同社の特長は、押出成形機用のスクリューやシリンダー、その他押出機パーツなどの金属部品の製造に特化しており、「プラスチック」「ゴム」をキーワードに、自動車・建材・食品業界など日々の生活に欠かせない様々な分野にフィールドを広げ、大手企業から中小企業まで幅広く常時100社との取引を有している。
三井一秀(みついかずひで)代表は、「常に新しい需要に対応するため最先端の機械を導入し続けている」と語る。
同社は、最先端技術の導入により、生産工程の80%を内製化、企画・設計段階から一貫生産出来る体制を整備してきた。また、自動化の割合が増えたことで、効率的かつ迅速に製品を提供できるようにもなっている。
三井代表は、「これからも“困っている顧客を最優先に”をモットーに、これらの設備能力を生かし、対応していきたい。」と続ける。
同社の「一歩先を行く技術力」が光る。
代表取締役社長 三井 一秀さん
平成10年4月に八尾市西弓削に弓削工場を開設して以来、八尾市で操業していたが、顧客の求める技術レベルに対応すべく大型設備投入を進めてきた結果、弓削工場だけでは手狭となり、八尾市の“ものづくり集積促進奨励金制度”の活用も図りながら、同21年5月に北亀井町に本社機能の移転も含む新規立地を行った。
八尾市北亀井町の新工場用地は、三井代表が「新工場はまさに運命的な場所」と語るように、JR久宝寺駅に隣接する場所で公共交通機関のアクセスも良く、近畿自動車道など物流アクセスにも恵まれたところであった。
「弓削工場から6キロしか離れていない場所ということで、製品の輸送コスト面でもメリットがあった。引き続き、市内の外注業者とのネットワークを維持できたこともありがたかった」と、三井代表は語る。
また、熱処理や表面処理に強い業者が多数、八尾に集積している点、加えて久宝寺駅と新大阪駅のアクセスの良さから同社に立ち寄る企業が増えるなど、取引面でも想定以上の効果が出ている。
増設後は、最新鋭の縦型マシニングや円筒研磨機などの設備導入により、大型案件の受注、自動化比率の向上及び内製化が可能となった。その結果、生産性向上による売上アップと収益性の改善が可能となった。三井代表は、「研磨作業などの手間のかかる作業を内製化できたことが、一貫生産体制の強化や迅速な短納期対応に大いにつながった」と、新工場建設のメリットを強調する。
三井代表は、新工場での生産工程の整備を行いながら、厳しい外部環境の中で現在営業部門の強化を図っている。営業人員の採用とともに、高い技術力を背景に自ら市場を作るべく、これまでにない分野への進出や新規開拓にも意欲的である。
昨年代表に就任したばかりの三井代表は、「現在の三陽があるのは従業員の頑張りがあったからと思います、これからも共にこの会社を成長させていきたい。そのためにも、従業員が気持ちよく働けるような環境づくりにも取り組んでいきたい」と、従業員への感謝の気持ちを込めて、熱く語った。
最先端のマシンと匠の技術を融合することで、あらゆるニーズに対応して今後もフィールドを広げていく株式会社三陽。三井代表は、最後に「社会に、そして地元に根ざした企業として、日々努力していきたい」と抱負を語った。